はじめに

 私達が今日感じる音色はテレビ・ラジオ等の影響が多く、ひと昔以前からの事を思うと大変な違いがあります。太古の時代は樹木の芯を刳り貫いた筒を叩いて合図を送ったり、其の音に調子を付けて感情を表し、振を入れて舞として楽しみ、神に豊作を祈り、病を患って平愈を念じて打ち鳴して来ました。音に拠って夜が明け、音に拠って日が暮れる時代もありました。

 年は移り日は流れて神田囃子保存会も設立五十五周年、文化財指定三十周年を迎える事が出来ました。日頃御世話に成りました。

  神 田 神 社

  都 教 育 庁

  区教育委員会

 他関係各位の方々に厚く御礼を申し上げます。

 記念事業の一環として会員有志の労筆に拠り此の小誌が生まれました。この努力が報れて旧事を知り新事の灯と成ります様に! 

 一 打 一 会

 昭和五十七年 仲秋

         会長 青 山 栄二郎

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 昭和五十七年十一月三日

 神田囃子保存会

 文化財指定三十周年記念式典

 実行委員会編纂 

 不許複製